血液透析

血液透析2日目(5月8日)

本日、血液透析に移行して2日目。

朝食を抜き、8時50分に透析室に行く。

「おはようございます」

心なしか、声もトーンが上がってる気がする。

かなり毒素が抜けてるかな。

昨日、「ちょっとシャントの音、聞かせてください」と、MA先生が病室に来た。

聴診器を腕に当てたあと、おもむろにゴムチューブを二の腕に巻き付け、血管を浮き出させる。

そして、「俺だったらここかな」と、前回よりも内側の、肘の内側辺りの血管がボッコリ出ているところに、二箇所、四角いマークをつける。

「明日はここに麻酔シールを貼ってください」

え、場所変えるの?

また新たな恐怖が・・・

でも、柔らかい部分だから、、痛みも減るかな。

今回から、本格的な血液透析だ。

前回は、初めてなので、軽めで勘弁してもらって3時間。

はてさて、今日は?

いま体重60.9キロなので、ドライウエイト60.2キロを目指しましょうとMO先生。

ドライウエイトとは、透析を始めると、どうしても尿が出なくなるので、、その代わりに透析で水分を抜いた後の体重のことです。

なるほど、水分を抜いた後の体重だから、ドライウエイトね。

「はい、よろしくお願いします」

前回よりも気が軽い。

一度でも経験すると、全く気分は違う。

今回の部分の針刺は、やはり前回よりは痛くない。

チクー、ぐらいだろうか。

よし、これならやっていけそうだ。

前回、針刺した部分は、ちっちゃなかさぶたになっている。

押すと、若干痛みがある。

普通の採血の注射だと、ほとんど後は残らないから、やはり、太い針なんだなあ、と実感。

これで、四箇所に針穴ができた。

結論でいうと、今回は、4時間の透析だった。

3時間とぽんやり思っていたので、やけに長く感じた。

しかも、前回よりも吸い取られ感が強く、途中から、頭が冷えてくるような、ちょっと貧血なような、変な感じ。

気持ち悪いまではいかないが、毒素抜いてるなあ、という気分はよくわかった。

ただ、4時間も血を抜かれ続けると、ここでなんかあったら、俺は死ぬだろうな、と、体ごと看護婦さんたちに預けている無力感をひしひしと感じた。

「ある程度透析やってきた人だと、もう、4時間やらないとね。これ以上、短くはできないんですよ」

「腎臓ってのは、大変な役割をしてるんですね」

「おととい、透析してから48時間だろう?腎臓が48時間かけてやってることを代わりにやるんだからね。そりゃ、4時間ぐらいかかるよ」

そうか、48時間の仕事を代わりに4時間でやってくれるんだものな。感謝しないと」

「ここは何にもないけど、透析センターだと、ビデオ見たり、リクライニングソファみたいになってるところもあるし、透析しながら食事してる人もいるよ」

「え!」

「前もって言っておけば、腎臓食も用意してくれるんだ」

なるほど、すごいな。

こりゃ、四時間を無駄にはできない。

何をするか、決めていこう。

終わった後、針を抜くときはちょっと痛かった。

でも、いずれにしろ、前回よりはまし。

だんだん良い精神状態になってくる。

全て終えて体重を測ると、60.0キロちょうどであった。

抜かれた感バッチリで、フラフラする。

そう、腕の穴から空気をすっぽり抜いたような。

でもこれ、明日の朝が楽しみかも。

絶対に楽になっていると思う。