本日、血液透析に移行して2日目。
朝食を抜き、8時50分に透析室に行く。
「おはようございます」
心なしか、声もトーンが上がってる気がする。
かなり毒素が抜けてるかな。
昨日、「ちょっとシャントの音、聞かせてください」と、MA先生が病室に来た。
聴診器を腕に当てたあと、おもむろにゴムチューブを二の腕に巻き付け、血管を浮き出させる。
そして、「俺だったらここかな」と、前回よりも内側の、肘の内側辺りの血管がボッコリ出ているところに、二箇所、四角いマークをつける。
「明日はここに麻酔シールを貼ってください」
え、場所変えるの?
また新たな恐怖が・・・
でも、柔らかい部分だから、、痛みも減るかな。
今回から、本格的な血液透析だ。
前回は、初めてなので、軽めで勘弁してもらって3時間。
はてさて、今日は?
いま体重60.9キロなので、ドライウエイト60.2キロを目指しましょうとMO先生。
ドライウエイトとは、透析を始めると、どうしても尿が出なくなるので、、その代わりに透析で水分を抜いた後の体重のことです。
なるほど、水分を抜いた後の体重だから、ドライウエイトね。
「はい、よろしくお願いします」
前回よりも気が軽い。
一度でも経験すると、全く気分は違う。
今回の部分の針刺は、やはり前回よりは痛くない。
チクー、ぐらいだろうか。
よし、これならやっていけそうだ。
前回、針刺した部分は、ちっちゃなかさぶたになっている。
押すと、若干痛みがある。
普通の採血の注射だと、ほとんど後は残らないから、やはり、太い針なんだなあ、と実感。
これで、四箇所に針穴ができた。
結論でいうと、今回は、4時間の透析だった。
3時間とぽんやり思っていたので、やけに長く感じた。
しかも、前回よりも吸い取られ感が強く、途中から、頭が冷えてくるような、ちょっと貧血なような、変な感じ。
気持ち悪いまではいかないが、毒素抜いてるなあ、という気分はよくわかった。
ただ、4時間も血を抜かれ続けると、ここでなんかあったら、俺は死ぬだろうな、と、体ごと看護婦さんたちに預けている無力感をひしひしと感じた。
「ある程度透析やってきた人だと、もう、4時間やらないとね。これ以上、短くはできないんですよ」
「腎臓ってのは、大変な役割をしてるんですね」
「おととい、透析してから48時間だろう?腎臓が48時間かけてやってることを代わりにやるんだからね。そりゃ、4時間ぐらいかかるよ」
そうか、48時間の仕事を代わりに4時間でやってくれるんだものな。感謝しないと」
「ここは何にもないけど、透析センターだと、ビデオ見たり、リクライニングソファみたいになってるところもあるし、透析しながら食事してる人もいるよ」
「え!」
「前もって言っておけば、腎臓食も用意してくれるんだ」
なるほど、すごいな。
こりゃ、四時間を無駄にはできない。
何をするか、決めていこう。
終わった後、針を抜くときはちょっと痛かった。
でも、いずれにしろ、前回よりはまし。
だんだん良い精神状態になってくる。
全て終えて体重を測ると、60.0キロちょうどであった。
抜かれた感バッチリで、フラフラする。
そう、腕の穴から空気をすっぽり抜いたような。
でもこれ、明日の朝が楽しみかも。
絶対に楽になっていると思う。