巨人軍の選手、コーチ三十七人を誘拐し、身代金を要求する事件が発生。
と言う荒唐無稽なストーリー・・・と一見思わせるが、どうしてどうして、実際の読売巨人軍の長嶋監督、王貞治、張本勲などの実名が登場するこの推理小説は、大風呂敷を広げて受けを狙ったように思われるが、そんなことはない。
きちんと練られた犯罪計画は、なかなか読者に先を読ませることなく、私立探偵左文字が追いかける犯人も焦ったいほど姿を現してこない。
読み進めるうちに、これ、面白いわ。
と、著者の西村京太郎氏への敬意を覚えてくるほどだった。
古い作品なので、私はこのタイトルを全く知らなかったのだが、有栖川有栖氏の推薦も見かけたし、おそらく有名な作品あのではあるまいか。
調べてみたら、映画にもなっていた。
一読しても損はない。
おすすめである。