アメリカ・スウェーデン合作映画(ホラー)
監督:アリ・アスター(へレディタリー)
主演:フローレンス・ピュー
はじめに言っておきますが、僕はホラーが好きではありません。
あえて見たいとは思いません。
それが、ネットの紹介を軽く見て、よく調べもせずに、軽い気持ちで観に行ってしまった。これがホラーということも知らずに!
以前にも一度、こんな経験があった。はるか昔の話であるが、中学生時代に、近所の文芸座に、よく通っていたことがある。
まだ入場料は300円で、しかも二本立て。金のない中学生には、日曜日の格好の暇つぶしだった。
だから、何をやっているのかもよく確かめず、なんとなく、入り口のポスターをふーんと眺めて、ヒョイっと入っていたものである。すると意外に面白い映画が見つかったりして、その発見が面白かった。
そんな中で出会ったのが、「天国から来たチャンピオン」
別記するが、これは全く期待もしていなかったのに、実に面白く、感動的な作品だった。
そして、大失敗だったのが、「サスペリア」だ。
大失敗、というのは、つまらなかった、という意味ではない。
怖すぎたのだ。「サスペリア」がホラーだと知らなかった俺は、上映が始まったのっけから、おどろおどろしい音楽に凍りつき、途中で外に出るわけにもいかず、かといって、ビクっとした時に隣にしがみつくわけにもいかず、まさに、座ったそのままの姿勢で手に汗握り続け、あの恐ろしい映画に耐え続けたのだった。
ミッドサマーが始まると、音楽の雰囲気と、なんとも不気味な話の展開から、この、「サスペリア」体験を思い出していた。
「やばい、これ、ホラーじゃねえか?」
しまった。ちゃんと確かめておくんだった。嫌だなあ。
とはいっても、もう遅い。
気持ち悪いシーンがあったら目をつぶっちゃおう。
なんだよ、それ。
映画はやはり、ホラー映画であった。
結構疲れました。
しかし、思ったような、気持ち悪い作品ではなく、美しくもあり、怖くもあり、面白くもあり、なんだろう、この作品。
知らなかったのだが、後から映画解説を見たら、これを作ったアリ・アスター監督が、「カップルで観に行くと別れる」と言っていたらしいですが、主人公の心理の変遷を考えると、なるほどなあ、とも思わされます。
この映画の怖さは、スプラッターとかのグロテスクな怖さではなく、心理的に追い詰められていく怖さ。
だから、気持ち悪いのが苦手な人でも、多分、大丈夫。
まあ、多少はグロいシーンもありますが。
舞台がスウェーデンの田舎の共同体で、別世界にぶっ飛んだような話。
解説を見てみると、改めて、色々な伏線が張ってあることがわかって、もう一度見てみると、より面白さがわかるかもしれません。